ENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

こんなハイレベルな新人公演初めて観た…!@宝塚月組 新人公演『グランドホテル』

タカラヅカ・スカイ・ステージにて去年の正月公演、月組『グランドホテル』の新人公演の放送が先月、今月とありました!最近やっと視聴…

結論:素晴らしかった…!!わたしは新人公演生で観た経験がない弱いファンなのですが、これまで映像で観た新人公演では一番レベルが高かったのでは?と思ったくらい完成度が高かったです…!!

往年のブロードウェイミュージカル(原作は映画)なのでこれからも放送が定期的にあるかは微妙なところです。新公は放送自体レアなので、もし今後放送する機会があったら、是非視聴or録画することをオススメします!

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ちなみに本公演のレビューはこちら。わたしの初・宝塚遠征の公演でした…

新人公演キャスト

フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵   夢奈 瑠音

エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ        海乃 美月

オットー・クリンゲライン                              風間 柚乃

ラファエラ・オッタニオ                                 蓮 つかさ

エリック・リトナウアー                                 礼華 はる

フリーダ・フラム[フラムシェン]               結愛 かれん

ヘルマン・プライジング                                 春海 ゆう

運転手                                                              輝生 かなで

オッテルンシュラーグ             颯希 有翔

男爵は最後の新人公演で主演を勝ち取った96期の夢奈瑠音くん。相手役のグルーシンスカヤは新公ヒロインや東上ヒロイン等、経験豊富の97期海乃美月ちゃん。この公演の二番手格オットーには100期の風間柚乃くん、フラムシェンの結愛かれんちゃんはともに抜擢ですね。当時研4さんと研2さん位。

非常に公演としてまとまりのある、かつ個々の配役もキャラクターにあっており(そこに寄せることが出来ていた方もいますし)「新人公演」としても各々のレベルが高い公演であったと思います。確か公演当時もSNSで評判だったような。

主演のふたりは新人公演ですけれど、危なげもほぼなく、手堅く演じており、もう少しキャリアや経験をつめば本公演でも通用すのでは?!という出来。るねくん、歌、歌えるんですよね~!本役珠城りょうさんが苦戦していた楽曲も大健闘して歌っていたと思います。いわゆる「男役芸」というところになると、線も細い男役さん(しかも超小顔)ですし大変だったろうな、という部分もあるのですが、きちんと若々しく魅力的な男爵でした。初主演だからと言って舞いあがっている感じでもなかったのが頼もしい。長の期ですものね。

くらげちゃん、本役愛希れいか、ちゃぴちゃんは、わりと役作りとしておばちゃまちっくに攻めてきていた印象なんですが、海ちゃんは「往年の誇り高き舞台人感」が出てて、こう声は低くして工夫していましたけど、変に年かさを足すことなく自然に魅力的なグルーシンスカヤだったと思います。

上手くてびっくりしたのが風間柚乃くん。元々100期の中では注目の男役さんでしたけれど、実力派ですね~!!現在先の月組本公演『カンパニー』での新公主演もしており、『エリザベート』本公演ルドルフ、新公ルキーニという抜擢ぶり。本公演のピックアップも目立つので、もちろん観客としては把握しているんですが、当時もまだまだ下級生。公演前後、丁度放送があった美弥るりかさんとのスカステ番組の対談で、初々しくて可愛いなあ、って思って見ていたのを覚えております。少し小柄ですけど、お顔も男役に良い、美人さんですよね。

美弥さんのオットーは「かわいい」キャラクター的な部分と、生来の「優しさ」とがあったと思うのですが、おだちんのオットーは割と人間臭い造形だったかな。ナチュラル。下級生だとこう、舞い上がっていたり、役作りが浮いてたり、やりたいことに技術が追いついていない…みたいなこと、新公あるあるなんですが、しっかり腰を据えて安定感さえ感じる出来。るねくんや海ちゃんみたいな先輩、実力派相手にたのもしいですね…!今後の活躍も楽しみです~!(実は最近更に舞台姿がカッコ良くなってきて気になっている…告白)

結愛かれんちゃんはまずヴィジュアルが可愛い!マリリンモンローみたいな、小柄ですけど、色っぽくチャーミングなフラムシェン。本役の早乙女わかばさん、海乃美月さんより、元々の持ち味としてハマっているのでは?!踊れるのも強みですし、芝居も間の取り方など上手いですね~。この次の『All for One』で新公ヒロでしたが、(それはそこまで評判を聞いていないのですが)今後はどう使われていくのかな…?課題は歌ですが、まだ下級生、伸びしろはありますよね!下級生にして大人っぽく色っぽい持ち味があるのは個性としていいな~と思います。

次の『All for One』で新公主演を果たした蓮つかさくん。元々綺麗な顔立ちで、実力派。発声が明瞭なのも強み。メイクに工夫の余地はあるかな、と思いましたがラファエラ、綺麗でした。歌声もいい。お芝居はどう見せたいのか…っていうところでしょうか。

プライジングの春海ゆうくん、オッテルンシュラーグ颯希有翔くんは新公卒業学年長の期、96期なだけあって、さすがの上手さでした…!颯希有翔くんは本公演でのピックがあまりない印象ですが、こんなうまい生徒さんなんですね。やっぱり新公見ると、下級生の上手さがわかって楽しいなあ…もっと使われれば良いのに。二人とも割と声から本役を踏襲している印象を受けたので、もっとオリジナルで作っても…とは思いましたが、長の期としては逆にその安定した佇まいが正解なのかもしれません。春海ゆうくんは「長長さん」でご挨拶もされていましたが、とても丁寧にしっかりとされていましたね。

エリック・リトナウアー、礼華はるくん、運転手の輝生かなでくん、102期と99期、ともに現在まで新人公演の役付きなかなかもよく、将来的にはもっと上を目指せる生徒さん達だと思います。エリックは意外と全編にわたって見せ場が少ないキャラクター、しかしラストのソロが難しいんですよね…はるくんは長身、スタイルの良さと、歌が上手なのも将来有望なポイント。お芝居や男役芸はまだまだこれから…だと思うので。あちくん(輝生くんの愛称)はダンサーで、ロケット等ダンスでは集団でも目を引く魅力を持っている男役さん。今回の運転手は…うーん、少し難しかったかな?ご本人の苦労が少し見えたかな、と言う印象。そして新人公演を観てわかったのが、実は運転手役は本役宇月颯さんの熟練の男役芸が必要な役だったのだな…ということ。例えば制服の着こなしもですし、特に所作。としさんの無駄なく、筋が通っていながら、ラフな印象もあり、妖しげな運転手はとても印象的だったので。

以上、他にも通し役を貰っている子達はどの子もきちんとしていてうまかったですし、全体での歌声も良かった…!新公を繰り返し見ていると、まだまだ舞台慣れしていなんだな…とか、明らかに舞台のレベルを下げちゃってる…っていう子が新公に関してはままあるのですが、今回は全体的に本当レベルが高かった…!

もちろん映像で拝見したので実際舞台を生で観劇して観る時の印象と、多少受ける印象が違う事もあるかと思います。

でも出来としてクオリティが高かったのは間違いない、と。

公演全体として本公演より手堅いというか、とてもオーソドックスなグランドホテルに思えました。

新人公演の担当は竹田悠一郎さん。まだバウもデビューしていない方ですが、素晴らしくまとめられているのではないでしょうか?こちらも今後のご活躍が楽しみですね。

 

この時から更に月組は組として勢いをつけている印象がありますので、新公メンバーもおのおのレベルアップしているはず。

今後の彼女たちの活躍に期待します…!!月組下級生、有望!

ナギナリコがお届けしました!

 

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