バレエダンサーによる究極の美。@新国立劇場 開場20周年記念公演 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』
久しぶりにバレエの全幕ものを観てきました!
しかも宝塚でタイムリーな『白鳥の湖』!新国立劇場が主催、バレエ団のダンサーによる公演です。今回はこのレビューをお届けします。
オデット/オディール 米沢 唯 小野絢子 木村優里 柴山紗帆
ジークフリード王子 井澤 駿 福岡雄大 渡邊峻郁 奥村康祐
バレエ=白鳥の湖、といっても良いくらい、バレエに詳しくない人間にも有名なチャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』。チャ〜チャラララ、ラ〜(伝われ)のメロディはあまりにも有名です。
わたしは、バレエは本当、両手で数えられる位しか見ておりませんので、「見る目」はほぼありません…ただ、バレエ漫画が大好きでして、アラベスク、テレプシコーラ、トゥ・シューズ、絢爛たるグランドセーヌ……
むかし京都のまんがミュージアムで行われた「バレエまんが」にまつわる展示も行きました。
バレエ・マンガ ~永遠なる美しさ~ | Clone of 京都国際マンガミュージアム - えむえむ
あと、毎年やるローザンヌ国際コンクールのNHK放送を見たり、コンクールやバリエーションの映像での鑑賞はたまにしていました!
Prix de Lausanne 2018 - Finals
長々と横道に反れましたが笑、そんなわたしにとって、この『白鳥の湖』はとても取っ付き易く、ああ!これがあのシーンか!という感動も沢山あり、とても楽しめました。
宝塚で『カンパニー』というバレエ団(しかも演目が白鳥の湖という)が舞台の作品も丁度近い時期に東宝で上演していましたし。
新国立劇場オペラパレスは綺麗で、お席もそんな高いランクの席ではなかったんですが、見易く、良かったです。生オケ、しかもクラシック、ということで、音の厚みも素晴らしい…!宝塚も生オケですが規模が小さいですし、「白鳥の湖」の部分はおそらく録音だったと思います。が、この、音に包まれている感じ、というのは大規模な生オケの公演ならではだな、と。指揮はアレクセイ・バクラン、管弦楽は東京交響楽団の皆さん。
東京交響楽団 TOKYO SYMPHONY ORCHESTRA
さて、ストーリーとしては、
オデット姫がある夜、悪魔ロートバルト(公式の表記はこちら)に魔法をかけられ白鳥にされてしまう。
湖の近くの城ではジークフリード王子の成人を祝うパーティーが行われていた。王子は花嫁選びを告げられ戸惑う。夜、王子は湖でひとり、白鳥に変えられたオデット姫と出会い、恋に落ちる。
ここまでが1、2幕。
3、4幕は再び王宮でのパーティから始まり、各国から様々な招待客が訪れる。王子は花嫁選びのため、様々な娘達を紹介されるが、気が乗らない。そんな時ロートバルトとその娘、オディールが招待客に扮し、やってくる。王子はオディールの妖しい魅力に引かれ、求婚するが、直後、騙されたとわかり、王子は後悔の念にかられる。4幕、湖でジークフリードとオデットはふたりの愛を決意し、結ばれる。
見せ場として大きいのは、やはり白鳥に変えられたオデットとジークフリード王子のデュエット(パドドゥ)やリフト、後半の黒鳥オディールの32回の回転技(オデットとニ役)、ジークフリードのソロ。あとは道化やロートバルトもキャラクター的な登場人物なので、ソロ場面があります。3幕のパーティーでは招待客が各国のダンスを踊るのも見どころ。(曲調や踊りが変わって楽しい)
演出については…わたしは「白鳥の湖」の全幕をきちんと通しで見たのが初めてなので、何とも言えないのですが( 振付 マリウス・プティパ / レフ・イワーノフ 演出、改訂振付 牧阿佐美、芸術監督 大原永子)とてもオーソドックスでわかりやすい踊り、芝居、装置、衣装、転換で初心者には有り難かったです。
今回の公演、オデットとジークフリードはなんと4組も組み合わせがありました!バレエ公演ではこれはふつうのことなのかな?これまで観た公演でも、ダブル、は見たこともあるんですが。
わたしが観た回はオデット木村優里さん、ジークフリード渡邊峻郁さん。これもバレエ見慣れていない人間の感想ですが、手堅くオーソドックスな印象でした。まだ木村さんは20代前半?と聞きましたので、どこか若々しさや瑞々しさも感じました。
ジークフリードはザ・王子様!なイメージのキャラクターでしたが、こうして全幕通して見ると、なかなか難しい役ですね。1幕なんて殆どバーンと立って歩くのが中心、2幕はオデットとのパドドゥ(デュエットダンスじゃなくて、バレエだとこっちかな?)。後半にソロの有名な場面がありますが、オディールの誘惑に負けてオデットを裏切る、なんて酷い。花嫁選びについては孤独や戸惑いを感じているのかな、という印象も受けます。そういう目立つようで見せ場が少ないような、キャラ的にもツッコミどころがある役をどう演じるか。オデット/オディールという白と黒、善と悪、2つの反する役を演じるのも大変でしょうが、ジークフリードって難しい役だな、大変だっただろうな、と思いました。
有名な4羽の白鳥等、コールドの群舞もとても揃っていて、階が上の方の席でしたが体系移動も綺麗で、とても素敵でした。
それにしてもバレエダンサーは皆さん頭身バランスも素晴らしいですね!筋肉もついているはずなのにあの細さ!よく行く宝塚のタカラジェンヌも、頭身バランス綺麗で美形で細い方多いんですが、更に、更に…!!同じ日本人、人間とは思えない肉体美でしたね…!プロフェッショナル…!
新国立劇場は小、中劇場にはよくお世話になっていますが、オペラ劇場はおそらく本当に初めて。ロビーは広々として綺麗(むかし、一条ゆかり原作、映画『プライド』で使われていた)で、
客層も演劇公演より心なしかラグジュアリーです。演劇では少ないお子さん連れの方も見かけました。立ち姿が綺麗でシニョンだったから、バレエを習っている子達なのかな。
改めて考えると、主人公が「鳥」の役、って衝撃ですよね。バレエって上品で、お姫様や金平糖の精等ファンタジックで華々しい役柄が多いイメージなんですが、白鳥と言えど、鳥。あの特徴的な手の動きも、思わず真似したくなりますが(近くの子どもがしてた)、左右対称に綺麗に動かすのはとてもテクニックがいるのだろう、と想像します。定番の、王道の演目でしょうが、裏ではたゆまぬ努力をバレエダンサーはしているのでしょうね。
最近ダンス公演もお誘いをいただき観たりすることもあり、
宝塚を見始めてから、それまであまり興味のなかった色々なジャンルのダンスにも目がいくようになりました。宝塚はバレエが元になっている踊りだし、これからもバレエを始め、色々なダンスの演目、エンタメも楽しみたいです。
以上、ナギナリコがお送りしました。