ENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

宝塚OGの「それから」

こんにちは。ブログを毎日書き続けるのがなかなか大変な今日この頃です。

ストックがなくて、空いた時間にバーーーーーッと書きまくる。

ほんとはもう少しじっくりゆったり書きたいんですけど、少なくとも5月いっぱいまでは毎日更新、でもタイヘン、ナギナリコです。

 

観劇や映画の記事の下書きがないわけではないのですが、今日はふと、思ったことを書きます。

わたしは去年(正確には一昨年の年末)に宝塚にハマりまして、これまでストプレ中心だった観劇比重を宝塚に移しました。それで毎日のように毎公演のようにうきうき楽しく、時にどきどきしたり、たまに(主に劇団側)にぷんすか怒ったりしています。

わたしが宝塚にハマったきっかけのひとつが、星組トップの北翔海莉さんでした。

NHKのBSの『THE ENTERTAINER!!』北翔さんトップ時代の2作目。前もの芝居の『こうもり』は評価別れる作品だったと思いますが、ジエンタは野口先生のデビュー作にして素敵な場面が盛りだくさんのショーで、わたしは毎日寝る前にジエンタの数場見て寝る、みたいなことをしてた時期があるんですね。それ位、大好きなショー。

北翔さんは3作目、期間にして2年程、という短いトップ人生を惜しまれつつも勤め上げ、19年という長い間在籍した宝塚を退団されました。

北翔海莉オフィシャルサイト

5月より新橋演舞場にて舞台に出演されます。

『蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳~』

歌舞伎・演劇の世界|松竹株式会社

退団後初のミュージカル『パジャマゲーム』も、観劇しましたし、こちらも観劇予定です。北翔さんの役は(女であることを隠している)若侍ということで、宝塚時代に培った技芸の数々もたくさん見せてくれるはず!とっても楽しみです!

…一方で、ちいさな不安もありまして、北翔さんは演劇人として、どうなっていくのかな、ということです。

中卒で宝塚に入り、波乱万丈な団員生活、卒業されてもなお、傍目には精力的に舞台やイベント、ディナーショー等に出演され続けています。

ただ、やはり退団後、独立、事務所に所属せず個人事務所を立ち上げたこと、公式HPやファンクラブの運営、興行の打ち方、そのやり方に素人目でも不安を覚えた方も多いのではないでしょうか。

「宝塚」にいる限り、色んな部分は全部劇団がガード、してくれます。スターが悪いのではなく、劇団のせいにしておけばいい、というところもなんとなくあるように思います。スター個人が自分でしなければいけないことも多いけれど、支え合える、相談出来る仲間がいる。親戚のように世話を焼いてくれるファンの方もいるでしょう。

ヴィジュアルのことについても、宝塚時代は「オサレみっちゃん」ってほほえましく観られていましたけれど、外部世界ではそうも言っていられなくなる。

本来、自己プロデュースや仕事の受け方、ファンの新規開拓等、戦略的にしっかりやっていかなければならないはずなんです。

これは北翔さんに限らずですけど、宝塚のOG、特に元男役トップの方は個人事務所の方も多い。そして少し調べると、その事務所の売り出し方が素人くさいところ、っていうのは素人のわたしからしても、往々にしてあります。芸能活動をなさっているようだけど、ファン向けのイベント、コンサートや宝塚関係の仕事しかしていない方も実は多い。

オーディションを受けている方も多いでしょうが、宝塚出身の方が、そこにキャスティングされるのも、聞いたり、聞かなかったりします。オーディションは色々ありますが、実力やそのキャラの持ち味にあっているか見られます。

一方で、積極的に(宝塚に対しての)外部の舞台に出演して、実績を積んでいる方もいる。元トップ娘役の方々は黒木瞳さん、壇れいさん等主演クラスを務めるかたもいますが、男役トップよりは目立つ活動をされていない方も多いように思います。

元トップ以外の方は、色んな劇場の芝居を観に行くと、アンサンブルで何名か見掛ける事もありますが、その多くが宝塚OGが主演の舞台であることが多い。

ある程度大きなハコの主要役を務められる方は、卒業後、芸能を仕事している何百人の方の中でもごく少数です。

わたしがパッと思いつくのは樹里咲穂さん、和音美桜さん、最近だと新進の真瀬はるかさんあたりかな。

 

宝塚時代で「実力派」と称された方も外部の舞台ではそういう方々が沢山いますので、宝塚時代の評価より、1・2段階落ちるような印象を受けます。

また元男役トップについては集客力を期待されてのキャスティングもあると思いますが、基本的に宝塚時代の「男役」時代のファンと言うのは、年を経るごとにだんだん減って行ってしまう。身長も高く、30代~後半の男役トップが多いので、役柄の面でも限られてくる。

それなりに芸能生活を続けている方が多いですけれど、宝塚時代のように「立つ舞台」が必ずある訳ではないので、先の自己プロデュースや戦略的な売出し、売り込み方、事務所の選定が重要になってくるんです。

更に、宝塚時代をしっかりまっとうされた方の中には、「元男役」というイメージを保ち続けながら、活動して行く方もいます。それはいいとか悪いではないけれど、「女優」として見たとき、その「個性」が「使いずらい」「役柄に合わない」と判断されれば、仕事は来ない。または、主要キャストのキャスティングにこだわっていれば、いずれオファーが来なくなる事もあり得る。

退団後数年は退団後御祝儀で仕事があっても、その後はなんとなく鳴かず、とばず…といった方もいらっしゃいますよね。

そもそも外部の舞台はタカラヅカほど客入りが良くありませんし、チケット代も高い。完売することが稀です。

芸能界、厳しいなあ…と思います。

宝塚退団後、活躍し続けられた理由―樹里咲穂 | カンパネラ

この日経ビジネスの記事、樹里さんの対談形式のものですが、とてもご苦労、努力されたんだろうな、というのは伝わってきました。樹里さんは、独自のキャリアを切り開いている方ですよね。

真琴つばささん、真矢ミキさん、紫吹淳さん、遼河はるひさんのようにバラエティタレント的な立ち位置の方もいますし、芸能界で息長く活動していくためには、ある種の柔軟さ、したたかさが必要です。

振り返って、北翔海莉さんは少し男役から女優を目指す(なる)のに、苦労されているなあ、という印象を受けます。今回も「男装」の役ですし、ご本人は「THE ENTETAINER!!」のように、「エンターテイナー」を目指す、とどこかで読みましたが。

ご本人が生き生きと、定期的に露出してくれるような芸能の仕事を続けてくれるのなら、それは一般のファンにとっては、とても嬉しいことです。でもファンである私自身も、宝塚時代のようには応援ができない。宝塚のより何千円も高いチケット代を払って、ハードリピーターにはなれないですし、グッズを買って応援、ファンクラブに入って応援、色々あると思いますが、宝塚時代と同じようにはできない。

男役時代は大好きだったけれど、退団後、俳優として、表現者として魅力を感じているか、そしてそれはこれからもそうであり続けられるのか───、そういう思いもあります。

ふつうの舞台観劇の時のスタンスなら、ファンであれば、とりあえず1回は観て、全然面白くなさそうな舞台ならそもそも行かない、チケット代が高いから行かない、という選択はふつうにあります。

でも宝塚はそうではなく、わたしは本公演は「すべて」「どの組も」ファンになってから今のところ、「1回は観る」ようにしている。芝居やショーが退屈でも、たくさんのスターの活躍をみたいからです。

外部に行ってしまえば、観劇というコアな趣味を持っている、目の肥えた人びとの評価にさらされる。そして、今はそんなことないですが、「宝塚出身の俳優は下手」と思われている時期がありました。ミュージカル界等ね。

わたしは麻美れいさん、一路真輝さん、香寿たつきさん、和音美桜さんとみんな綺麗で、芝居や歌も上手くて…と言う方ばかり劇場で見ていたので、決してそんなことは思いませんでしたが。

過去の舞台映像等を参考にしているため、何とも言えないけれど、昔より、最近のOGの方が技芸(特に歌)は優れているのでは…?と見えるときもあります。

レベルも高い。でも宝塚を出た「それから」は、どうするのか。

その活動に対する、このなんとなくモヤモヤした気持ち、どうしたらいいのかな。

長い上に取り留めもないのですが、宝塚と外部の演劇界は求められるものも全く違いますし、公演により演出家もスタッフも色々ですし、評価軸も異なる。毎回違うカンパニーです。宝塚OGの方々が、現在も過去も日本の演劇界で数々の活躍をされているのは事実ですし、今後もそうあって欲しいです。

でもなんとなく、もっと「自由に」時に「したたかに」芸能界を生き続けていって欲しい、と思うのです。芸能界を長く生き続けることは、それだけ大変なことなのだから。

長くなりましたのでなんとなくモヤモヤしてる感じですが、おわります…

 

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