ENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

宝塚歌劇団は「真善美」を体現する世界で唯一無二の劇団である。

 

宝塚。タカラヅカがすきです。

ちまたでは宝塚ファンのことを「ヅカオタ」と言います。まあ「ジャニオタ」「声優オタ」みたいなもんです。あんまり良いイメージではないですが。わたしは「オタク」である、って素晴らしいことだと思いますけどね。こんにちは、「ヅカオタ」「ヅカファン」のナギナリコです。

 

わたしが本格的に宝塚を観劇を始めたのは星組『桜華に舞え!/Romance!!(ロマンス)』からでした。(その前に日生で雪組伯爵令嬢)といってもチケットの取り方云々がちょっと勝手や要領がわからず、結局当日券に並び、発売中のブルーレイを買ったのです。宝塚はなんと西(本拠地・兵庫県宝塚市)→東(日比谷・有楽町)の専用劇場公演中に映像ディスクが販売されることが多いです。なんという手厚さ!

こういうの、巷で「福利厚生が手厚い」っていうんですよね、まさにそれ。

…パンフレットの話だけで一記事書けそうな勢いですが、今回の本題はタイトル。

宝塚は「真・善・美」を体現する世界で唯一無二の劇団である

ということです。

 

真はまこと、善は倫理上の、美は見た目、中身両方なのかな。審美の美。

宝塚歌劇団は全員未婚の女性。ボリュームゾーンは20~30代前半です。具体的な年齢は「すみれコード」といって秘密、歳もバラバラですし、入学年で「〇〇期」と呼ばれます。キャリアを積んだ黒木瞳さんと同期、なんて方が今も在籍していらっしゃいますが、全員未婚の女性です。今年は104期生が初舞台を踏みます。

 

宝塚の舞台は美術や衣装、装置、脚本のストーリー、キャラクター造形、演者の所作、口跡、演技に至るまで徹底的に「美しく」作られています。例えば、美しく優雅に動いたり、ドレスの中が見えないように裾が翻らないように歩くなど、メイクも一見皆んな一緒の「ヅカ化粧」に見えますが、演者が各々の個性(チャームポイント)に応じて工夫して自前化粧しているんですよ。

いわゆる基本は「型の芝居」で歌舞伎界に近いのかな。女性が理想化された男性、女性を演じている訳です。

 

そして未婚の女性であることに加えて、もう一つの大きな条件が宝塚音楽学校に入学し、卒業すること。中卒~高卒までの最大4回しか受験は出来ません。入学試験では「容姿端麗」であることがきちんと明記されています。

 

タカラジェンヌさん達やOGさんを観ていると、舞台上でも舞台外(イベントやテレビ番組収録等)でも上品に美しくふるまっている方ばかり。

それは宝塚が阪急創始者小林一三翁の「清く正しく美しく」(そして朗らかに)を守り、タカラジェンヌとしての矜持を保っているからなんですね。音楽学校でも礼儀や挨拶の作法が厳しいのは有名ですしね。元々は花嫁修業学校のような感じだった、とも聞きます。

 

正直、初めて観たときは(TVでは)物足りませんでした。

これは初観劇より前で、演目も覚えていない。

わたしは蜷川幸雄さんや、ストプレ(いわゆる歌わない普通のお芝居)中心に観劇していて、宝塚歌劇の演技もかなりタカラヅカ的で大味だし、登場人物が多いのに同じ化粧ばかりで、顔が誰だかわからない笑(初心者あるある)

なにより物足りなかったのは、いわゆる「美しさ」「正義」を前に出すキャラクターが多いこと。

「人」を演じる役者なのだから、この世は善い人ばかりとは限らないですよね?世の中眉目秀麗の人ばかりではありませんよね?ある程度歳を重ねたら、正義だけでは世界が回ることはない、そもそも世界はそんなカンタンなものではない、とわかる。

どうもキャラクターの見た目や背格好、造形の差、人間的な深み、魅力がその舞台からは感じられなかったんです。まあきっと脚本よくない時だったんでしょうねぇ。(いいわけ、宝塚のホンよくないあるある)

しかし『伯爵令嬢』のような乙女のロマティックな夢を描く作品もあれば、『桜華に舞え!』のような骨太の薩摩藩士の生き様や西南戦争を描いた作品もある。『THE ENTERTAINER!』のようなスペクタクルなショーもある。

驚きましたし、自分を演劇の世界に導いてくれた蜷川幸雄さんが2016年に亡くなられ、私事のもろもろで落ち込んでいたわたしには、目が覚めるような、華やかな優しく、美しい世界でした。

そう、宝塚は若い女性が中心となって演じる芝居・ショーだけれど、女性だけが観る娯楽ではないのです。

「真善美」「清く正しく美しく」を体現する万民に開かれた劇団なのだーと。

心からそう思いましたし、今でもそのすばらしさに、尊さに、涙する思いです。

 

色々ありますよね、人生。

 最近、どうしても、悲劇より、喜劇の方が観たい。

人生は悲喜劇。「この世は舞台、ひとはみな役者。」

タカラヅカってすてきですよ。

 

宝塚歌劇公式ホームページ

 

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