ENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

紅ゆずるの代表作はスカピンよりうたかたの恋だった!@星組中日劇場公演『うたかたの恋』/『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』

名古屋中日劇場まで宝塚遠征して来ました!

わたしは心の中では今は星組ひいきなのですが、遠征は見送ることも多いです。でも…いやー、名古屋って近いですね!日帰りが余裕。美味しいご飯も食べ楽しい遠征でした。皆さんこんにちは、ナギナリコです。

ではいつものようにあらすじ等からご紹介です。観劇感想はその後に。

 

ミュージカル・ロマン『うたかたの恋
原作/クロード・アネ

脚本/柴田 侑宏 演出/中村 暁

19世紀末、オーストリアで実際に起こった悲恋を描いたクロード・アネの小説「マイヤーリンク」をもとに、オーストリア皇帝の嫡子ルドルフと、男爵令嬢マリー・ヴェッツェラとの許されざる恋をドラマティックに描いた傑作ミュージカル。1983年の初演以降、再演を重ねてきた、儚くも美しい愛の物語です。


タカラヅカレビュー『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』
作・演出/酒井 澄夫

タカラヅカレビューの伝統を紡ぐ作品。『モン・パリ』初演から90年余り、その歴史は数多くの素晴らしい場面、素敵な曲で彩られています。パリレビューの場面を中心に、きらめく花の様に多彩な輝きを放つ紅ゆずるを中心とした星組メンバーの魅力を一杯詰め込んだ、豪華絢爛なレビューをお届け致します。

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星組公演 『うたかたの恋』『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

うたかたの恋は何度も再演されている宝塚の名作ですね。特に白城あやかさんのマリーは今に語り綴られる愛らしさ、可憐さ。直近では2014年宙組凰稀かなめさん、実咲凛音さんで上演されています。

全体の印象としては演劇の作り自体がノスタルジックで、数十年前の演目だと感じさせるところはあります。しかしとても見応えがあったわたしはうたかたの恋こそが紅ゆずるさんと綺咲愛里さんの代表作だ(現時点で)と思う位なんですよ…!それだけ良かった。二人の結末を予感させる美しいアバンタイトル的場面からはじまり、舞踏会のシーンへ。凪七瑠海さん、七海ひろきさんが登場し舞います。ここの七海さんがうつくしかったな〜。凪七さんも所作が品がありますね。そこから回想形式で物語がはじまっていく。語り部役を担うジャン役はわれらが(どこのですか)七海ひろきさんです!

紅さん、はじめの「うたかたの恋」から歌唱が少し不安定な面もありました。ハムレットの場面は紅さん独特の抑揚のある台詞とシェイクスピアの長い台詞が混ざって少しおもしろいことに…けれど、その後の私室で思い悩む場面からはきちんと客の心を掴む演技を見せてくれます。紅さんの苦しいほどのナイーブさがルドルフのそれと重なるんですね。対して綺咲愛里さんも大健闘。わたしはこれまで彼女の特に芝居に魅力を感じることがそれほどなかったのですが、今回とてもよかった!女優よ!っていう役よりこういう少し地味目で可憐な娘が合うんですよね~。あくまでも普通で、ちょっとピュアで可愛らしいあーちゃん(綺咲さんの愛称)マリーを堪能させて頂きました。本当になんて可愛らしいの!確かにあーちゃんマリー、「小さな青い花」でしたよ!

紅さんルドルフ出色の出来はなんといっても白いベットシーン(オセローを彷彿とさせます)、幕切れ。ルドルフはマリーとこんな結末を決して迎えたくなかった。その哀しみ、マリーへの愛が伝わってきました。

今回の芝居を観て紅さんはやはりお芝居の人であり、もっと心情的で情緒的な芝居があっている、と思いましたね。タカラジェンヌらしからぬエキセントリックなキャラクターは彼女の一面でしかない。綺咲さんも地味目な役の方がハマる。早くオリジナルの代表作を!と心から思いました。

 

ブータカ(ブーケドタカラヅカ)は直近の大劇場公演の再演。大劇場で観たときはオールドスタイルで少し退屈さも感じましたが、中日劇場クラスだと場が埋まりますね。

すみれの花の場面は礼真琴さんから七海ひろきさんに、パリジャンの場面は十碧れいやさんに。七海さんのすみれの場面は、もちろん礼さんに歌唱力は及びませんが、ノスタルジーと切なさ、ほのかな色気を感じる場面となっていて、持ち味の違いが面白かったです。丁度バレンタイン時期だったので、パリの街角で5セントのかわりに万里柚美さんがチョコレートを差し出したり、中詰めが「ハッピーバレンタイン!」でしたね。楽しかったです。

花夢幻の三人のデュエットダンスは七海さんの音波みのりちゃんが白薔薇、十碧さんと夢妃杏瑠さんが赤薔薇に。大劇場では切ない恋をしている赤薔薇、といった風情でしたが、今回は笑顔で幸せな思い出を振り返るような微笑の白薔薇でした。

パレードのエトワール、カトリーヌ(華鳥礼良)が天彩峰里さんに劣らずまた見事な歌唱だったのも印象的でした。

あっ、言い忘れてはいけない、客席降りで美人な、美人でしかない星蘭ひとみちゃんとタッチできました!長い手を遠くまで伸ばしてくれてありがとう♥