ENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

新トップお披露目にふさわしい豪華でハイレベルな二本立て@宝塚雪組『ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール』/『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ-

早霧せいなさん、咲記みゆさんという宝塚で伝説を打ち立てたトップコンビが退団され、雪組の新・トップスター望海風斗さん、真彩希帆さんのお披露目公演が上演されています。

トップの退団から新トップのお披露目ってあっという間ですよね。日々時間の速さを感じてしまう…ナギナリコです。

ではまずあらすじのご紹介から、公演レポ+感想です!

 

  ミュージカル
ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』
作・演出/生田 大和
18世紀末、フランス。立ち上がった市民達によって達成され、現代を生きる人々の生活の礎ともなったフランス革命宝塚歌劇においてもこれまで度々物語の題材として取り上げられてきたこの革命の中心人物の一人であり、理想に燃え、そして自らもまたその炎に焼かれた革命家マクシミリアン・ロベスピエール
1791年9月14日。革命が始まって以来の宿願であった憲法が、ルイ16世によってついに承認される。国民議会議員として一大事業を為したロベスピエール達はパリ市民の歓呼の声に迎えられる。しかし憲法の承認は混迷する革命の、まだ序章に過ぎないものであった・・・志を一つに共に立ち上がった仲間達との絆、運命的なロマンス・・・その青春を賭し、理想に燃えた青年が革命の頂点へと邁進する姿を通し、彼が掲げた「自由・平等・博愛」に込められた思いを紐解き、人類の歩むべき路を問いかける歴史ミュージカルです。なお本公演は雪組新トップコンビ望海風斗と真彩希帆の大劇場お披露目公演となります。

 レヴュー・スペクタキュラー
『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ-
作・演出/野口 幸作
「VOYAGER(ヴォイジャー/航海者)」をテーマに、望海風斗のトップスター就任と新生雪組の「船出」を盛大に祝福する颯爽絢爛なレヴュー作品。豪華客船の出航をイメージした躍動感溢れるプロローグに始まり、「望(HOPE)」「海(OCEAN)」「風(WIND)」「斗(BIG DIPPER)」と新トップスターの名前にまつわる場面を中心に、未来への希望に満ちた場面の数々で構成。望海風斗の男役の美学と新生雪組の魅力の全てを凝縮した究極のエンターテインメントにご期待下さい。

雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』『SUPER VOYAGER!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

雪組宝塚大劇場公演 ミュージカル『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』/レヴュー・スペクタキュラー『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ- [Blu-ray]

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「…すっごい良かったですね!?」

初めて観た時休憩時間になるとすぐ、思わずお隣の女性に話しかけてしまいました。それ位大迫力の、「宝塚オリジナルのフランス革命ミュージカル」として素晴らしい出来でした。ワイルドホーンの曲はとにかく盛り上がる。盛り上げる。

それを現在宝塚のトップスターで歌ウマNo.1のだいもん(望海風斗)と歴代トップ娘役で歌ウマトップクラス(ほぼトップか?という)真彩ちゃん(真彩希帆)がという感動!

…正直こんな量の楽曲で宝塚の公演数で、ショー付き公演にするのは、制作仕事しろ、と思ったのですが(失敬)、それでも観客としては耳が超幸せ。脚本構成は割とシンプルで、登場キャラクターでオイシイ役は意外と少ないながら、印象に残る場面が多い。場面転換が見応えがあり、盆がぐるぐる、セリが上がる下がる、装置が動くと、気分も高揚しますし、飽きさせません。

生田先生はさすが小池修一郎先生の弟子ですね。場転(場面転換)が本当にうまい。沢山の印象的な楽曲を使いながら、演技を盛り上げるように、スムーズに場面転換するのは、色んなスタッフさんの職人芸のたまもの。一観客として観られて感謝です。物語構成としてはキホンをきっちり抑えてきたな、という内容。はじめのせり上がり、マリーアンヌ嬢の登場の仕方、二人の出会いから恋に落ちていく様。駆け足ではありますが、きっちりと納得いく物語に。また民衆の使い方も非常にうまい。女性革命家のシーンも短いながら印象的ですし、演劇祭の仮面劇も定番の演出手法ながら心をつかむ名シーンです。ここが最後に効いてくる。台詞も良いですね。実在の詞も多く使っているのでしょうか?あと、例えばダントン「これからもずっと三人で仲良くやっていくんだ!」など台詞としての伏線回収も見事でした。この部分がまたのちのちに効いてきました。…切ない。

生田大和先生の最高傑作、雪組新トップコンビ望海風斗と真彩希帆のお披露目に最高の演目でした!と確信を持って言える観劇となりました。

 

SUPER VOYAGER!は、野口ショーのキャッチーな衣装、歌のセンスが好きな自分には…とっても!すきなタイプのショーでした!

ディズニーやアニメ風の衣装(電車のラブライブサンライズの中吊りに似ていた)を身にまとっただいきほ雪組トップコンビのことを並べてこう呼びます)、ラテンの衣装もボリューム少な目がいまっぽい。ただ、ひとこ(永久輝せあ)ちゃんのダルマはタコ脚にするか、羽根つけるか、要鬘検討だったかな~。(追:宝塚と東宝と微妙に鬘変えてたかな?東宝の少しカールのバランス感のが好み)少しバランスが良くない。美脚は大変拝めましたけど← やはりみんなが口をそろえているように、わたしも「海」のシーン、「海の見える街」が好きです。個人的に咲ちゃんに凄い萌えはないのですが、こういう場面で芯をとれる確かな技術力、経験値を感じる。そしてこの場面、雪組ダンサー娘役さん達がかわいく、うつくしいこと!雪組は踊れてカワイイ娘役さんが豊富なのはいいですね。あゆみさん、ひーこさん、あんこちゃん、みちる、ひまりん、舞ちゃん(沙月・笙乃・杏野、彩・野々花・桜庭。ヅカファンは役者さんをあだ名で呼びます)…他にも可愛いくて踊れる子がたくさん。そして大好きになった朝月希和ちゃん!彼女は素顔は霞がかかったようなお顔立ちなんですが、メイク顔もキュートだし、スタイルもまろやかなで丸みがあり、バランスがいい。お芝居も歌もダンスもなかなかのレベルです。ダントン妻のような個性的なキャラも演じられるので、間違えなく雪組の即戦力ですよ!良い子をお迎えしましたね、雪組さん。わたしのイチオシ叶ゆうり(紫スーツ)さんが、ダンサータイプでは決してないはずなのに、メンバー入りしているのもツボ過ぎます…笑 彼女は雪組では珍しい芸風の濃さで目立つのですよ~、男役の色気が出てきた気がする!ダンスはやはり指先等必死さが出ていましたが、これからも注目するぞ。舞咲りんさんとのデュエットソングもありましたね。あと雪組若手ダンサーといえば鳳華はるなさん(グリーンのスーツ)。自然と目がいってしまいます。私はダンスのことはよくわからないし、どういうところが違うのか、うまいのか、説明しづらいのですが…音の取り方、指先や手の角度に隙がない。とても魅力的で目を引くダンサーなのです。

全体的にはたしかに今までのお約束、定石的な華やかで派手な場面(リフト、大階段マスゲーム、ジャニーズ風)が多く、オリジナリティがそこまで感じられない面もあり、ショーのあてがきが出来ているようで出来ていない部分があると思います。ただ、それはまだ野口先生(宝塚ファンは演出家に先生と付けちゃいます)が経験が浅いからでしょう。「海の見える街」や「アンダルシアにあこがれて」(男役群舞)など新鮮でカッコイイ、現代的な場面もあります。もう一作、2018年度に花組公演に登板ということで、おそらく星、雪とそこまで変わらない構成のものを作られると思います。その次か、個性的で濃い花組を上手く扱えるかが、野口幸作ショーの今後の試金石でしょうね。えらそうですがこんな感じで締めます。濃い萌えがたりはまた別の機会にでも。

追記:東宝千秋楽も生観劇しましたので、すぐにアップします。追:アップしました!)

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